※ 映像制作料金のお支払いに、クレジットカードを使用することは出来ません。
なかなか馴染みの薄い「映像制作」という特殊なジャンルも、最近ではデジタルメディアの進化で一般の方々にも随分身近なものになってきました。
コンパクトで性能の良いデジタルカメラやホームムービー、または携帯電話などで、誰もが動画撮影というものを御自分で経験されているのではないでしょうか。
ちょっとカメラを回して撮影すれば、映像などは簡単に撮れてしまう。
こんな時代になってしまったのですから「映像などは簡単に作れるもの」、そういうイメージを持っていらっしゃる方も結構多いことでしょう。
しかし、映像を製品として制作するとなると、ちょっとアングルは違ってきます。
実際の「商用デジタルコンテンツ」は、とても複雑なプロセスを経て完成していきます。それは、ビジネスに使用するためのコンテンツ制作を行うわけですから、それ相当のクオリティとノウハウ、そして膨大な時間、労力、努力というエネルギーを、そのコンテンツの中に注入していかなければなりません。そうでないと、映像なんてものは完成しても決して良いものにはならないのです。
たった一つの「映像コンテンツ」の中に、マーケティングに必要な情報を集約していくわけですから、企画も構成も大変重要です。
構成の段階から、お客様に足を止めてもらうための「しくみ作り」をしなければなりません。
それではまず、皆様に映像制作のプロセスをご理解いただくために順番に御説明していきます。
映像制作の流れを料理にたとえると、次のように考えることができます。
「企画・構成・シナリオ作成」=レシピや調理法の考案
「撮影・録音・素材制作」=野菜や肉と言った食材を集めてくる作業
「編集」=レシピに従って食材を調理する工程
どれかひとつが欠けてもおいしい料理にならないように、映像制作においても全ての工程が十分でなければ、良い映像作品にはならないと言えます。
対象物やクライアント・・・諸条件によって制作プロセスに若干の違いはありますが、映像制作のフローは概ね上のようになります。次項より、各プロセスを順に見ていきましょう。
企画に求められる5W1H
企画とは、これから行おうとしている物事の概要や必要なリソース(人・物・金)をまとめ、関係者に必要な事項を説明し、コンセンサスを得る作業です。
これから始まる制作作業に関係する全ての事項を、しっかりと抑えておくことが重要です。
初めから良い企画書を作るのは難しいので、まずは次の表のように5W1Hにそって、確認していくと漏れが少なくなります。
事項 内容(映像制作)
What
何について 何について
Why
何のために 映像の達成する効果商品認知、機能解説
Who
誰に 主な視聴者の属性
誰が 制作者・スタッフ
When
いつまでに 納期
Where
場所 ロケーションの場所、スタジオ
How
どのように 形式:実写、アニメーション、CG等
機材:撮影、録音、編集、素材制作
How Much
いくらで 費用・予算
企画段階での意思疎通と情報共有は、その後に続く映像制作の無駄をはぶき、クライアント・制作者双方が満足できる結果をもたらす上で、非常に重要です。後の工程になるほど根本的な修正は困難になるからです。
打ち合わせ・ディスカッション
構成を決める前には、十分な打ち合わせとディスカッションが必要です。綿密な事前準備なしには、映像制作は大変困難です。実際にお会いし雑談を交えてたくさんの話しをすることは、映像作品にリアリティを持たせ、視聴者に深く訴えかける作品にするための重要な作業です。
構成とシナリオ
次に、打ち合わせによって得られた情報を使って、映像の大筋を組み立てていきます。これが構成作業です。
苦労して得た情報ほど切り捨てづらいものですが、過大な情報をつめこんだ映像は、ポイントが不明瞭になってしまいます。企画の目的にあわせて、思い切った要約や単純化を行います。そして、話の流れやポイントがわかりやすいように、情報を伝える順番とそのつなぎ方を検討します。シナリオは、これから作ろうとしている映像の「基本設計図」です。
映像制作における、よいシナリオの条件は次のようなものでしょう。ストーリーの良否だけでなく、制作する側としては、予算や収録の難易度などの観点も大切です。
伝えたいテーマを正しく伝えている
内容を効果的・魅力的に伝えている
撮影・録音・素材入手に無理がない
制作コストが予算内におさまる
想定期間内に制作できる
予算書・スケジュール作成
プリ・プロダクションの工程では、何を作るかを決めるだけではありません。どうやって作るか、すなわち、資金や日程を決めることも重要です。ビジネスとして映像制作する場合には、まず、プリ・プロダクションの初期段階で、概算予算とスケジュールを見積り、提出します。その後、クライアントや関係者と調整・修正しながら、シナリオ、予算、スケジュールを確定していきます。
映像制作の予算項目
およそ次のような項目に分けて算出されています。
スタッフ・キャスティング
シナリオ、予算、スケジュールをかんがみて、出演者や各工程作業者など、スタッフのキャスティングを行います。
ロケ・ハン
ロケ・ハンとは、ロケーション・ハンティングの略で、画コンテ作成時や実際の収録の前に、実際に収録を行う場所を下見することです。ロケ・ハンは単なる撮影対象の確認ではなく、次のような多面的な確認を行います。そのため、実際の収録とできるだけ同じ条件下(同じ時間帯、曜日等々)にロケ・ハンを行うことが望ましいでしょう。また、ロケ・ハンの結果によってはシナリオを修正する必要が出てくることもあります。ロケ・ハンから実際の収録までは余裕を持ったスケジュールを設定することも大切です。
収録場所の広さ(機材設置場所や被写体との距離)
雨風の影響(屋外の場合)
背景(映したい物、映したくない物)
時間的な特別事項(朝は通学の人通りが多い、その曜日は休館日、等)
外光や屋内照明の強さ、向き、種類
音響環境 (壁の材質や空間の大きさ、外部騒音など)
電源の有無と種類(電圧、電源容量、コネクタの形状、など)
安全面(危険な場所、機械や取扱い注意の薬品など)
待機・休息場所、トイレ・水道などの有無
収録場所への移動時間、集合場所
その他必要な機材・用具の把握
音声としてのことばを記述する
シナリオには映像の描写とともに、音声としてのことばを記述する必要があります。
音声としてのことばには次の3つの方法があり、映像の中で、この3つをどのように組み合わせるかが、映像理解をうながす上で、重要です。
ナレーション(語り)
現場リポート
インタビュー
書くことばと耳で聞いて分かることば
いずれのことばも、耳で聞いて理解できることが大前提です。
私たちは日常生活の中ではあまり意識することなく、話し言葉と書き言葉を使い分けています。
シナリオは「書く」ものですが、その内容はあくまでも視聴者が「聞く」=音だけで意味が伝わる言葉であるという意識が必要です。
また、時間的に一方通行なので、後戻りして確認することはできません。
音だけで、意味が伝わることばにするポイント
シナリオを書き始めると、内容をより明確に、具体的に伝えようとして、ナレーションが長くなりがちです。しかし、映像を見てわかる内容であれば、本来ナレーションは必要ないのです。
冗長的なナレーションは、かえって映像の邪魔になることさえあります。情報と情報のつなぎを適度に補完するナレーションは、視聴者を映像に引き込むことができるでしょう。
撮影設計
撮影と言うとまずカメラ・ワークが思い浮かびますが、実際に撮影する前には準備が必要です。これを、撮影設計と呼ぶこともあります。撮影設計の良否は、編集作業の負荷や、その結果としての映像の出来栄えに大きく影響します。
絵コンテ
絵コンテとは、カット割り、構図・カメラワーク・出演者の向き・移動方向などを絵で表したもの
コンテは、構成やシナリオをもとにして、各場面のカット割りや、構図、カメラワーク、その他の表現方法を具体的に記述したシートで、シナリオを基本設計図とするならば、コンテは詳細設計図と言えるでしょう。
当社ではロケハン時に撮影したデジカメの写真を元に、事前に画コンテ(絵コンテ)を作成します。
撮影設計の流れ~シナリオ分析
内容的なものは、5W1H-いつ・誰が・どこで・何を・どのように-に従って分析すると、モレがありません。映像に限らず、すべての情報はこの5W1Hが基本だからです。この分析がなければ、映像制作としての撮影は不可能と言ってもよいでしょう。
5W1H 意味 撮影対象の事例
When いつ 時代、季節、時刻 太陽の位置、空の色、季節の植物
季節行事、昔の電化製品、など
Where どこで 場所 状況を表すL.S.、場所の全景(俯瞰)、ランド・マーク、家具、周囲の人々
Who 誰が/誰に 登場人物 服装、小物、など
What 何を 対象物 対象物の全体と部分
周囲の環境、など
Why なぜ 理由 出来事、行為、など
How どのように 感情・心理、
方法 表情、態度、行為
比ゆ的な事物、など
スタイル・ムード分析
雰囲気=スタイル・ムード面での分析も重要です。例えば、ライブ感のある映像を狙うなら、三脚を使わずに手持ちで撮影する方がよいかもしれません。適度な手ぶれも演出のうちです。反対に、しっとりと落ち着いた映像を作るなら、カメラを固定してバランスのよい構図で長めのショットにするのが適切です。
ロケ撮影での作業フローはおよそ次のようになります。
(1)被写体の決定
まず、撮影は被写体があってはじめて行える、と言うことです。当たり前のことのようですが、実際の現場作業では機材やスケジュール面での都合を優先しがちです。基本に立ち返って、「何をどのように撮影したいのか。そのためにはどうすればよいのか」と言うことを常に胆に命じる必要があります。
また、「何を撮るか」の裏側として、「何を撮るべきでないか」の意識も大切です。
例えば、「多くの自然が残る草原」を撮影しているのに、草原のむこうに煙を出す工場が映っていては、映像が伝える情報は当初の意図とはまったく変わってしまいます。不必要な物体を視界に入れないことで、意図通りの対象物に視聴者の意識を集中させるような配慮も必要です。
(2)カメラ・ポジションの決定
「何を撮影したいのか」が決まれば、次は「どこから撮影するか」、カメラ・ポジションを決めます。カメラポジションは次のような条件から決まります。
被写体をどのような角度から撮影したいか
どんな背景を入れるか。
背景に余計な物が映っていないか。背景にガラスがある場合は、反射物が映りこむので注意。
距離感---例えば、同じクローズ・アップでも、カメラを被写体に近づけて広角レンズで撮るのと、カメラを離して望遠レンズで撮るのとでは、画の雰囲気は大きく変わります。
屋外撮影の場合、太陽の位置---影の方向や、立体感、補助照明の有無に影響します。
その場所にカメラを設置できるか
(3)画面サイズ、カメラ高さ、カメラ・ワークの決定
カメラポジションの次は、画面サイズ、カメラの高さとカメラ・ワークの決定です。それぞれの名称や意味、特長は、前章を参照してください。
(4)照明の決定
カメラが決まったら、それにあわせて照明を決めます。
照明の色温度の調整
照度の確保
立体感・材質感の演出
以上による全体の雰囲気の表現
ロケ現場での照明は高温になるため、安全対策が必須です。
(5)マイク・セッティング
撮影・照明の後、あるいは並行して録音の準備を行います。
(6)リハーサル
時間が許す限り、本番の前にリハーサルを行います。確認する項目は以下です。
表情・セリフは演出的にOKか
照明エリアを外れて被写体が動かないか
マイクは被写体をフォローできているか
ケーブルやマイクなど不必要なものが画面に入っていないか
画像/録音レベルは適切か
(7)本番
リハーサルが完了したら、いよいよ本番です。
ディレクターは全体の内容を、カメラマンは画面を、照明マンは照明関係を、録音マンは音声を、それぞれ重点的にチェックします。気になる場合は撮影後すぐにプレイバックし、すべてが予定通り収録されているか確認します。面倒な作業ですが、ロケのやり直しは時間的にも費用的にも大きな損失です。ロケ現場での慎重に慎重を重ねた作業が、結果的にはもっとも効率の良い結果を生みます。
(8)撮影完了
編集作業は映像制作の最終工程です。映像制作のフローで料理にたとえて見ましたが、編集とは、レシピに従って食材を調理する工程にあたります。どんなによいレシピや食材があっても、コックの腕が悪いと、おいしい料理にならないように、編集の良し悪しは、映像の出来栄えを左右するとても大事な要素です。
映像は本来、多義性、つまり複数の意味を持っていて、様々な解釈が可能であること。そして、複数のショットをつなぐことによって、ある特定の意味やムードを生み出すことができる、と言うことです。これが映像編集のもっとも基礎となる考えです。
ポスプロとは
ポストプロダクション---略してポスプロとは、撮影完了後の全ての作業のことです。よって、編集はもちろんのこと、音編集や色調整(カラーコレクション)、納品形態への書き出しなども含みます。
ポスプロの仕事
編集
映像編集です。もちろん、編集をノンリニアシステムで行う場合はキャプチャ作業も含まれますし、素材管理も重要な要素になります。また、本格的な編集に入る前に粗編集(ざっくりとシーンの順序を並べ替える、主にカットのみの編集)を行う場合もあります。
タイトル
映像にタイトル・テロップを乗せていく作業です。タイトル作成はもちろんですが、シーン状況を説明する文字テロップ作成、バラエティ番組などで出演者の言葉をおっかけるように表示する「なぞりテロップ」の作成などもあります。また、場合によってはこれらの工程も編集作業に含むことがあります。
カラーコレクション
色調整です。映像のホワイトバランスや彩度・輝度の調整などを行います。この工程も編集作業に含む場合があります。
エフェクト
映像にビデオフィルターなどの特殊効果を加える作業のことです。現在では、コンポジット(合成)や複雑なエフェクトが求められるようになりましたので、編集作業とは別の作業になることが増えてきました。
MA
音声の編集のことです。BGM、ナレーション、SE(効果音)などを映像に付けていきます。
主に白パケ(音以外は完成している映像)を専用の音楽編集システムに持ち込み作業を行います。
また、音の清音化(ノイズ除去やノーマライズ)も重要な作業のひとつです。
web用のエンコードは、多くのパラメータがあり、かなりの専門知識が必要です。最近では、ソフトウェアに用意されたプリセットなどを利用して比較的容易に行えますが、形式によっては多くの時間を要する場合があり、その時間も考慮し、作業を行う必要があります。
クライアント様に完成した映像を確認していただき、手直しがあれば修正していきます。最終確認の後、YouTube等の動画アップロードシステムを使って動画を公開していきます。
当社では現在のところ、自社サーバー等は持たずに、こういった動画投稿システムを利用することで動画を公開して行こうと考えています。
自社でサーバーを管理しながら動画配信の設備に莫大な投資をしていく事は、当社においても大変リスクも大きく、お客様にとってもコスト増となるため互いが不利益となります。ですから、まずは現状の公開方法として、YouTubeをメインとした公の動画投稿サイトを利用しての配信となります。YouTubeは商用利用が可能になっています。
また、こうした動画投稿サイトを利用するメリットとして、大変トラフィックの多いところに動画をおくわけですから、それこそ日本中の人達にに見ていただくチャンスがたくさん生まれます。
そういう観点からも動画投稿サイトを有効活用しながらの、動画配信を推進します。
著作権とは
映像作品のエンディング・クレジットに、「制作・著作」等と表記しますが、これは他のクレジットのように単なる名誉や記録のためではありません。その作品の著作権の保有者を表す重要な意味を持っています。
著作権とは、創作物を保護する権利のことで、特別な申請を行わなくても、創作と同時に自動的に発生します。
契約書の作成
業務として映像を制作する立場で大切なことは、著作権の保有者が誰であるかを、契約書等で明確にしておくことです。著作権を譲渡した場合は、いくら創作者であっても、無断でその作品を複製・上映・翻訳したり、第三者へ譲渡したりはできなくなるからです。他人の著作権を侵害した場合は、罰金が科せられます。
肖像権について
映像を制作する上で、もうひとつ重要な権利が肖像権です。
肖像権とは、個人の氏名や肖像(姿)を守る権利のことで、全ての人が保有する「人格権」の一部と考えられています。つまり、本人の承諾なしに、その人が映った映像をインターネット等で公開することはできません。
(参考サイト / 映像制作情報サイト EDIUS.jp)