芭蕉が歩いた奥の細道 山寺 立石寺
Silence, and penetrating into the rocks — the cry of the cicada
Famed haiku poem of Matsuo Basho "Yamadera Risshaku-ji"


立石寺(りっしゃくじ)は、山形県山形市にある天台宗の寺院で、正式には宝珠山阿所川院立石寺(ほうじゅさんあそかわいんりっしゃくじ)と称します。
円仁さんこと「慈覚大師」によって創建されたこの立石寺は、通称「山寺」の名前で親しまれています。
俳人「松尾芭蕉」がこの地で詠んだ句である「閑さや岩にしみ入る蝉の声」は大変に有名で、1015段の石段の中腹ほど行ったところには芭蕉が句を詠んだ「せみ塚」があり、この芭蕉の句が刻まれている。
この句が記された『おくのほそ道』は、俳人松尾芭蕉による「紀行文集」で元禄15年(1702年)に記されました。日本古典の中でも代表的存在で、芭蕉作品の中でも最も有名な著作になっています。

■立石寺本堂(根本中堂) / 俳人 松尾芭蕉像と弟子の河合曾良像
正面入り口を入って最初の石段を登ると、国指定重要文化財の根本中堂があります。
この根本中堂は延文元年(1356)に初代山形城主・斯波兼頼が再建した建物で、ブナ材の建築物では日本最古といわれています。

<■松尾芭蕉像と句碑 / せみ塚
しばらく歩いていくと、名句「閑さや 巖にしみ入る 蝉の声」を詠んだ俳人「松尾芭蕉」像があります。『おくのほそ道』の道中を一緒に旅した、弟子の「河合曾良」像も芭蕉像と一緒に並んで立っています。
宝物殿、念仏堂を通り過ぎると、「山門」が見えてきます。鎌倉時代に建立されたといわれるこの山門は、開山堂や五大堂などへの登山口となっていて奥之院までは800段を超える石段を一歩一歩登らなければならない。
参道を中腹ほどまで登っていくと、松尾芭蕉が句を詠んだ「せみ塚」がある。
「閑さや岩にしみ入る蝉の声」。あまりにも有名なこの句はこの地の情景の中で生まれたものだ。

■山寺 全景 / 仁王門
ここからさらに登っていくと絵はがきのように美しい「仁王門」が現れる。
嘉永元年(1848)に再建された優美な門には左右に仁王尊像が安置され、「邪心をもつ人は登ってはいけない」と睨みつけているのだそうです。

■納経堂と開山堂 / 五大堂
「開山堂」と「五大堂」は、山寺の中でもっとも眺望が良く、とても画になるロケーションにある。
開山堂とは、立石寺を開いた慈覚大師のお堂で、大師の木造の尊像が安置されている。岩の上にある赤い小さな堂は、写経を納める「納経堂」で、山内で最も古い建物なのだそうです。さらにその奥には「五大堂」があり、五大明王を祀って天下泰平を祈る道場で、山寺の展望台にもなっている。

この山寺は、俳人松尾芭蕉が訪れたことで歴史ある大変有名な場所になったが、芭蕉が書いた『おくのほそ道』がすばらしい「紀行文集」であると見られる一方で、芭蕉と曾良は、実は当時の幕府に任務を課せられた「スパイ」であったという説もある。
芭蕉に同行した弟子が書いた『曾良旅日記』には、仙台藩の軍事要塞といわれる「瑞巌寺」や仙台藩の商業港・石巻港を執拗に見物した事実が記されている。
そのため曾良は、芭蕉の旅に同行することで幕府の任務をカモフラージュし、当時の仙台藩の様子と動向を伺うために送り込まれたとの見方があるのだ。
事実、『おくのほそ道』の旅は「六百里(2400キロ)」にものぼり、旅路のスピードも行程も異様であるというのだ。黒羽で13泊、須賀川では7泊して仙台藩に入り「松島の月まづ心にかかりて」と絶賛した松島では、1句も詠まずに1泊で通過したといわれる。
真の目的は「仙台藩の内部を調べる機会を伺うため」だったとしたら、当然仙台に来て句を詠んでる暇はなかったのかもしれない。
『おくのほそ道』は紀行本ではなく仙台藩の内部を記した「報告書」であるという「芭蕉スパイ説」という側面から歴史をみることも、実ににおもしろいものである。



参拝の所要時間 〈山内参拝フルコース〉・・・約90分

参拝口 → 根本中堂 → 山門 → 姥堂 → 仁王門 → 奥之院 → 開山堂 → 五大堂 → 山門 → 立石寺本坊 → 下山口



山寺 宝珠山立石寺

■所在地  山形県山形市大字山寺4456-1
■山号  宝珠山
■宗派  天台宗
■本尊  薬師如来
■創建年  貞観2年(860年)
■正式名  宝珠山阿所川院立石寺
■通称   山寺
■札所等  最上三十三観音2番
■重要文化財  根本中堂、木造薬師如来坐像


JR山寺駅時刻表

■JR山寺駅 / お食事処 おのや



JR山寺駅を下車するとすぐに、ホームの上から真正面に「山寺」の絶景を伺うことができる。晴れた日の山寺はとにかく格別である。
特に紅葉の季節になると、青い空と赤や黄色に色づいた木々、そして山寺の情景とがそれぞれのコントラストを放ち、観光客の皆様の目を楽しませてくれる。
駅を出てすぐに左側に「お食事処 おのや」さんがある。店頭には「山寺名物 力こんにゃく」がある。力こんにゃくとは、山形ではとてもメジャーな食べ物で、山形特産の玉こんにゃくを串刺しにして、味付けされた醤油でコトコトと煮込んだとてもおいしいファーストフードです。手軽に食べられるこの力こんにゃくは、1本100円です。
石段を上っていく前にちょっとした腹ごしらえに最適です。

■山寺名物 力こんにゃく



奥の細道 山寺立石寺 【観光バージョンムービー】



山寺立石寺

【場所】 山形県山形市山寺4456-1
【電話】 立石寺山門 023-695-2843
【時間】 8:00~17:00
【入山料】 ●一般・高校生 300円 ●中学生 200円 ●小人 100円


宝物殿

立石寺の仏像、宗教資料、文化財を収蔵。
【電話】 023-695-2002
【時間】 8:30~17:00 (冬期休館 12月~4月20日)
【入館料】 ●一般・高校生 200円 ●中学生 100円 ●小人 100円

山寺芭蕉記念館

俳聖芭蕉と門人の遺墨、俳文学資料、奥の細道資料館展示。
【電話】 023-695-2221
【時間】 展示棟 9:00~16:30 研修室・茶室 9:00~21:00
【休館日】 不定休(お問い合わせください。)
【入館料】 ●大人 400円 ●高校生以下 無料

山寺後藤美術館

山形県河北町出身の実業家・後藤季次郎氏が、長年にわたり収集されたヨーロッパ絵画のコレクションを核として設立された魅カ的で特色ある美術館です。
【電話】 023-695-2010
【時間】 5月1日~9月30日 9:30~17:30(入館は17:00まで)
10月1日~4月30日 9:30~17:00(入館は16:30まで)
【休館日】 月曜日(祝日・休日に重なる場合は翌日)
【入館料】 ●大人・高校生 800円 ●中学生以下 400円


山寺風雅の国

和風レストラン・土産処・喫茶や四季折々の山寺の絶景がお楽しみいただける観光スポット。
【電話】 023-695-2011
【時間】 月曜〜金曜 9:00~17:00 (L.O.15:00) 土曜・日曜・祝日 9:00~17:00 (L.O.15:30)
【定休日】 無休
【大型駐車場】 有 150台
【馳走舎 営業時間】11:00〜15:00 椅子席100席、和室150席


【山寺周辺のアクセス】

■山形駅   自動車で30分 JR仙山線で20分
■山形空港 自動車で30分
■天童温泉 自動車で15分
■酒田市  自動車で2時間30分
■鶴岡市 自動車で2時間 山形横断自動車道利用
■上山温泉 自動車で40分
■米沢市  自動車で1時間30分
■蔵王温泉 自動車で60分
■仙台市  自動車で1時間30分 JR仙山線で50分


山寺周辺のおすすめショップ

レストラン おのや
四季の味と川魚料理 ますや
お土産とお食事・喫茶の店 えんどう
手打ちそば・つきたての餅 美登屋
芭蕉ゆかりの地 ふもとや
山寺観光果樹園


山寺観光協会

〒999-3301山形県山形市山寺4495-15
TEL:023-695-2816
FAX:023-695-2810







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